
今日は、パッティングの勘違いについて
ちなみに、“勘違い”を調べると「物事をうっかり間違って思いこむこと」と出てきますね。
パッティングにおいて最も多い勘違いは、「真っすぐ引いて、真っすぐに出す」です。
私は今まで、ツアープロからトップアマ、ジュニア、初心者まで何千人ものゴルファーを見てきました。
そんな中で、「真っすぐ引いて、真っすぐに出す」を意識している人で上手くストロークできていた人を一人も見たことがありません。
正確な数字を計測しているわけではありませんが、仮に私がチェックした方が500人いたとして、その中で「0」ですから、「0%」ということです。
なぜ「真っすぐに引いて真っすぐに出せ」と言われるかと言えば、答えは簡単で
「真っすぐに転がしたいのだから、真っすぐに当てるべし」
という本能的なものによるのです。
つまり「そういう感じがする」から「それが良い」というなんの根拠もないものなのです。
有名なデイブ・ペルツというショートゲーム専門のインストラクターがいます。彼は元NASAの科学者でした。彼は「真っすぐに引いて、真っすぐに出す」を推奨していました。(今は分かりません)
彼のパッティングバイブルという超ぶ厚い本がありますが、当然ながら全て英語で、超眠くなるのですが、私はそれと、他にパッティングの科学という本も読んでいます。
ですので、彼の主旨は一応知ってはいるのです。
元NASAの科学者が提唱するのだから、もしかしたら、ものすごい練習を積んで「真っすぐ引いて真っすぐ出す」を習得することが可能かもしれません。
しかし私がなぜ、「真っすぐ引いて真っすぐ出す」を推奨しないかというと、その真っすぐの軌道を「腕や手で微調整」して作ってしまう人がほとんどだからです。
1/2000秒しかないインパクトで人間の手先による微調整は非常に不安定な要素となりえます。
それよりも一切、腕や手先に頼らずに、完全に「体の回転運動でのストローク」で打った方が格段に「安定」するのです。
体の回転運動でスイングするとパターヘッドは自然と円を描きます。
だからパターの軌道は「円軌道」を推奨します。
今、アカデミーで大人気の「パッティング講座」
100万円以上する精密機器をショートゲームの達人「黒川プロ」が使ってストローク分析をして、改善を図るのですが、計測項目の中に「ストロークの安定度」という項目があります。
そのデータはとても興味深いものです。
「真っすぐ引いて真っすぐに出す」やり方の不安定さ、その後に行う「体主体の円軌道でのストローク」の安定度、方向性の向上に、皆さん驚いていらっしゃいます。
さて、次の「勘違い」はタッチに関して
あなたは、カップインしたから「良いパット」
と思っていませんか?
タッチが全然合っていないのに、たまたまピンの芯に当たって入ってしまったパッティングを「ラッキー」と思っている方は大丈夫です。
そうじゃなく、明らかに強いのに「それでよし」と勘違いしている場合、問題です。
パット数を減らすには、タッチ、つまり距離感が命です。もちろんグリーンが読めずに反対に曲がってしまって3パットもありえますが、多くの3パットは距離のズレから生じるのです。
とくに上り、下りの度合いを上手く予想できずに、大幅にズレてしまう場合
もしあなたがそんな状態ならば、練習グリーンなどで、わざとカップインさせずにカップの横を通らせてみる練習をすると良いですよ。
どのくらいの振り幅や強さでストロークするとちょうど「OK」くらいの距離が残るのか?それを把握しなければいつまで経っても3パット連発ですが、カップインさせないように練習するとそれが把握できます。
「練習では良いのに、本番のコースではミスが出る」という勘違いもあります。
よくあるのが、練習グリーンで2~3球のボールでカップを狙って打つ時に、最初の1球目が大幅にズレてもその後の2球で調整して「上手く寄せられた」と思ってしまう状態。
その後場所を変えたり、距離を変えたりしてやって、なんとなく寄るようになり「よしOK!」となるのですが、本番は1球しかないので、最初の1球目に出た「全然ダメな距離感」や「方向」のパットが“毎回ではなく”、“たまに”出てしまうのです。
たまにだから自分の打ち方が悪いと思わない、つまり勘違いしているという事です。
実際のところ、上手く打てているという勘違いはとても多いです。
もしあなたのパッティングが、プレーで納得のいく結果が出ているのであればそれは「本物」です。
しかし練習では良いのに本番では「距離が」「方向が」という問題があるとしたら「勘違い」している可能性がありますよ。
さて、最後の勘違いは「アドレス」に関して
ゴルフは全ての分野で「構え」が非常に大切ですが、とくにパッティングはスイングがとても小さいから、「どう構えたか」が「どんなスイングになるか」に直結しています。
体重の位置(前後、左右)、前傾の角度、頭や目線の位置、ボール位置、手の位置、肘の曲げ具合、グリップの握り方、これら全てスイングに影響します。
例えば、体の正面側から見た手の位置
理想はグリップエンドがボールの上にくるくらいの、わずかなハンドファースト状態です。
しかしこれが、自分の頭の位置によって見え方が変わってしまいますし、仮に正しい位置に頭の位置が来ていても、「自分で感じていること」と「実際の状態」にはズレが生じてしまうものなのです。
アドレスの「勘違い」とは、上記した角度や位置が「自分では全く、あるいはほぼ感じられずにズレている」ことです。
そうなると「おかしなぁ~、どうも思った方に行かない、距離が合わない」となってしまうのです。
これは上級者にはよく見られる現象です。
もしパットはまあまあ自信があるけれど、「何か変だな」と感じていたら、アドレスの位置がズレている可能性を疑って下さい。
さて、今日はパッティングに関してお話ししましたが、これらは当然他の分野、全てに共通するものですね。
自分では良いと思っているけれど、それは勘違い、間違い、そういった事を発見すれば、まだまだあなたのゴルフは向上していきますよ。
勘違い
無くして、もっともっと上達してください。
それでは今日も最後までお付き合い、有難うございました。
本当のナイスショットと安定したスコアアップのために
A.Ishida